ふみづきー7月

花札ー湖乃国

7月は「萩に信楽たぬき」

【信楽焼のたぬき(甲賀市)】
信楽の陶器作りは歴史的にも古く、今では全国に陶器の町として知られています。信楽周辺地域を訪れると、駅名や店名に「紫香楽」という漢字がついているのを目にすることがあります。これも信楽と同じく「しがらき」と読みます。

約1200年前、奈良時代に日本の都がこの信楽の土地にあったそうです。天平14年(742年)、国家安寧を願って大仏建立をおこなうため、聖武天皇が紫香楽宮(しがらきのみや)の造営を始めましたが、山火事や地震のため計画が順調に進まず、結局4年余りで平城宮へと再び遷都されたと言われています。紫香楽はその都の名前だったのです。

信楽のたぬきは「他を抜く」「太っ腹」に通じることから、古くから縁起物とされていました。商売繁盛のために店先に置くのもそのためです。

今のように信楽のたぬきが全国的に有名になったのは、昭和26年、昭和天皇の信楽行幸がきっかけです。たくさんの信楽たぬきに日の丸の小旗を持たせ沿道に設置したところ、子どもの頃からタヌキの置物を集めていた昭和天皇は感激し、歌を詠まれました。その逸話が新聞で報道されたことで、全国に信楽たぬきが知られることになりました。

その時の昭和天皇の歌がこちらです。
をさなきとき あつめしからに なつかしも しからきやきの たぬきをみれば

【神照寺の萩(長浜市)】
長浜市新庄寺町にある神照寺。平安時代に建立された真言宗智山派の寺で、「萩の寺」として有名です。秋には自生する約1500株、2万本の萩の花が風にゆられ、観光客を迎えてくれます。

本来の花札は「萩(はぎ)に猪」。比べてみると面白いと思います!

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