あがるさがるで きたみなみ まる・たけ・えびすは とおりのなまえ
京都の通り名唄
丸田町通りから十条通りの通りの名前のわらべうた
京都市内の道路は、東西・南北それぞれ真っ直ぐに伸びていて、よく〝碁盤(ごばん)の目〟のようだといわれます。これは西暦794年、かつての日本の都・平安京の街づくりで通りがきっちりと整備された名残だとか。規則正しく並んでいるぶん、同じような道や交差点が多くあり、自分が今、どこにいるのか分かりづらくなりがち。そこで、古くから親しまれてきたのが「京都の通り名唄」です。
〝まるたけえびす〟のフレーズで知られる、「東西の通り名の唄」では、丸太町通りから十条通りまでの通りの頭文字などが、歌に詠みこまれています。
♪丸竹夷二押御池(まる たけ えびす に おし おいけ)
姉三六角蛸錦(あね さん ろっかく たこ にしき)
四綾仏高松万五条(し あや ぶっ たか まつ まん ごじょう)
雪駄ちゃらちゃら魚の棚(せったちゃらちゃら うおのたな)
六条七条通りすぎ(ろくじょう ひっちょう とおりすぎ)
八条越えれば東寺道(はちじょう こえれば とうじみち)
九条十条でとどめさす(くじょう とおじょで とどめさす)♪
京都市内では、北に行くことを「上ル」、南に行くことを「下ル」って言うんだってね。では、東や西に行くときは、どう言うの?
うちらは「東入ル」、「西入ル」って言うてます。この言い表し方は平安時代の中ごろから使われていたらしいどす。こうした表現はよその県の住所では、あまり使われへんそうですね。
「南北の通り名の唄」は無いの?
もちろん、あります! こちらは、寺町通りから千本通りまでが歌詞になってます。
♪寺御幸麩屋富柳堺(てら ごこ ふや とみ やなぎ さかい)
高間東車屋町(たか あい ひがし くるまやちょう)
烏両替室衣(からす りょうがえ むろ ころも)
新町釜座西小川(しんまち かまんざ にし おがわ)
油醒ヶ井で堀川のみず(あぶら さめがいで ほりかわのみず)
葭屋猪黒大宮へ(よしや いの くろ おおみやへ)
松日暮に智恵光院(まつ ひぐらしに ちえこういん)
浄福千本果ては西陣(じょうふく せんぼん はてはにしじん)♪